なぜ生存対策を取ることが経営者にとって重要なのか?

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なぜ生存対策を取ることが経営者にとって重要なのか?

 

起業して1年後には、半数以上の会社が倒産や休眠会社化してしまいます。

 

「失敗するぞ」

 

という思いで起業する人はいないでしょう。

 

しかし、現実には多くの経営者の方が1年以内に退場してしまいます。

 

私が起業したばかりの経営者の方々にまずお伝えしたいのは「生存対策」です。

 

最初からできるかできないか、一か八かの博打のような大きな売上を目指すのではなく、

会社が活動し続けられる状況を最優先に作ることです。

 

開業時点で、積極的な計画と悲観的で厳しい計画の2通り。

創業計画は、この2つを持つべきだと私は考えています。

 

3年間はガマンして事業が持ち堪えるように売上を上げることよりも、

事業が存続することを優先してください。

 

つまり、悲観的で厳しい計画でスタートし、うまく行ったら計画を上方修正する。

ギアをシフトアップする。そうして戦術の乗り換えをしていただきたいと思います。

 

例えば、レストランを開業したい人がいます。

 

理想的な立地のビルに、空き店舗が出ました。

 

保証金は12か月。高い坪家賃。けれど立地は素晴らしい。

 

盲目的に店舗を借り、大家指定の内装業者に目いっぱいゴージャスな内装費を支払い、

華々しくオープンしました。しかしお客さんは来ません。

 

借金で乏しい手許資金です。

わずか3か月で資金繰りに窮し、6か月で閉店となりました。

 

閉店しても資金の流出は止まりません。

 

店舗内装の原状回復で追い銭。

盲従的な賃貸条件は、追い打ちをかけ、途中解約の違約条項で

保証金は実質全額大家に没収されてしまいます。

 

実は、この大家は最初から保証金を巻き上げる条項で、

毎回味をしめているのです。

店が潰れることを前提とした賃貸物件だったわけです。

 

続いては、パーフェクトな生存対策の例をご紹介します。

 

ある寿司屋さんは、繁華街の端っこにあります。

あまりキレイではない墓地の裏通りにある小さな店舗です。

 

裏通りに、木の香が香るようなシンプルで品のある外観。当然目立ちます。

 

店内に入れば、カウンター6席だけの上品な内装。

カウンターの向こうにいる大将とは同じ目の高さ。

包丁さばきが目の前でしっかりと見えます。

 

寿司職人の技をじっくりと見られるこの寿司屋には、

近くのシティーホテルのコンシェルジュから外国人客がどんどん送客されます。

 

腕の良い寿司職人のオーナー大将と弟子の2人。

 

食事メニューはコース2通りのみ。

座ればお酒を飲んで一人2万円ほど。

 

オーナー大将自ら手の届く心のこもったサービス。

カウンター越しの会話が楽しいから、行きつけの常連も増えます。

 

私もこの寿司屋さんで、上場会社の社長や出版社のオーナーと知り合いました。

 

裏通りにある寿司屋は、瞬く間に食べログの評点が上がり、

近隣の寿司屋を圧倒するようになります。

 

6席しかない小さな店はすぐに満席。簡単には入れません。

 

いつも満席で断られるから、プレミアム感が付いて、お客様は希少性を感じます。

 

良いスパイラルが生まれ、経営状況は好調になっていくのです。

 

なぜこの地域にお店を作ったのか?

 

寿司屋さんの大将に尋ねたら

 

「この辺りに優れた寿司屋さんはない空白のブルーオーシャン。

すぐに地域一番の寿司屋になれると思ったんです。

 

当店もだいぶ売れてきました。

実はもう少し大きい条件の良い店舗をいま探しているんですよ」

 

と言います。

 

生存対策は、まずは低い固定費です。

家賃が安い。人件費はオーナーである自分はタダ。

かかっても給料の安い弟子一人だけ。

 

損益分岐売上が極端に低いのです。

お客様が来なくても、店は生存できます。

 

じっくり固定客がつくまで耐えることができるでしょう。

 

食事メニューはコースのみですから、計画的に仕入れを行うことができます。

 

客単価が高いから、アラカルトを頼む若者は来ません。

食材のロスが出にくい仕組みです。だから損益分岐売上をすぐに突破できます。

 

固定客の確保と、食べログ評価を高めてから店のサイズアップ。

こんな手順で確実に成功を手に入れる経営者もいます。

 

生存対策を絵に描いたようなお話ですね。