なぜ経営者は決算の目的を考える必要があるか?

スクリーンショット_2020-03-29_17.20.50.png

Backgygyggy round photo created by pressfoto - www.freepik.com 

そもそも、決算は何のためにするのでしょうか。

 

「義務だから」

 

というのもごもっともな回答なのですが、経営者でもある私なりに、

戦略的・実務的な視点から決算の目的を考えてみました。

 

「やれやれ面倒だ・・・」

 

と感じてしまう決算作業ですが、やっつけ仕事にならないように、

経営者として決算の目的や意義をしっかりと確認しましょう。

 

「税理士に任せれば良いや」

 

ではダメなのです。

 

決算書は、「一年間の経営成績通知表」。

 

決算書をいかに上手に作るかは、経営者にとって最重要課題の一つです。

 

決算の目的と意義

①    融資判断資料作り

②    申告納税義務

③    経営判断

④    利害関係者報告(IR)

 

中小企業やベンチャー企業にとって、決算を行う意義は、この4つの側面が考えられます。

 

②の申告納税義務に関しては、

法人税を申告しないまま納税の期限を過ぎてしまうと、

納付税額の5%以上の加算税が課せられます。

 

しかし対税務署でいえば、仮に申告が遅れても罰課金的な税金を払えば、

正直それだけで済む話です。

 

一方、金融機関や取引先の支払いが遅れてしまったらどうなるでしょうか。

遅れたら一発で信用アウトという取引条件の会社もあります。

 

税理士は、大学で学んだ教科書どおりの、硬直した考え方を語る人がほとんどです。

 

「中小企業の実務にとって、融資判断資料作りが最優先である」

 

と強調する税理士はいません。

申告納税義務よりも経営にとって大切なことがたくさんあります。

資金調達こそ、経営のスタート台であり土台なのです。

 

では、決算の目的と意義について

私の主観も含めてご紹介します。

 

①    融資判断資料作り

 

一定期間における経営活動を損益計算書(PL)で表現される経営成績と、

決算日における貸借対照表(BS)で表現される財政状態により、

一定期間の会社の経営の有り様をまとめたものが決算書です。

 

金融機関は、今期の決算書と過去数期の決算書を比較分析し、

融資期間及び金利、融資金額を決めます。

 

経営には様々なことが起こります。

予想外のトラブルに見舞われることもあるでしょう。

 

経営はマラソン、資金繰りはボクシングと言われ、

資金ショートで会社はノックアウトです。

経営の世界から退場を余儀なくされることがあります。

 

金融機関がお金を貸すか貸さないかの最大の判断材料は、決算書にあります。

 

「金融機関がお金を貸したくなる決算書を作ること」

 

これが中小企業やベンチャー企業にとっての、決算書を作る最大の目的です。

 

ほとんどの税理士は、申告が最も重要だと主張すると思います。

もちろん、税務署の受領印のついた申告書の控えを添付しなければ、

金融機関は決算書を受領しません。

 

しかし、

 

税務申告=決算の目的

 

とする税理士の思考回路は、中小企業やベンチャー企業の現場とは大幅にズレているのです。

 

②    申告納税義務

 

資金調達の次に重要なことは、いくら税金がかかるかです。

 

法人は、利益に応じて納税義務を負います。

法人が負う決算の数値で額が決まる主な税金は、

 

「法人税」

「法人住民税」

「法人事業税」

「消費税」

 

の4つです。

 

会社が赤字の場合は、税金の還付を受けることもあります。

一方、様々な税金の特典や優遇の制度があります。

税理士と相談して、節税や税の優遇を受けてください。

 

合法的な赤字対策もしてください。

きれいごとではなく、決算前の会計処理によっては、

合法的な方法で「今期に利益を手繰り寄せる」「経費を先送りする」こともできます。

毎期黒字決算と時々赤字決算では、受け取る金融機関のイメージが全く違います。

 

③    経営判断と④利害関係者報告

 

次に重要なのは、会社の経営成績と財政状態を知り、

今後の経営に活かすという「経営判断的側面」です。

 

あわせて、会計情報を社外のステークホルダー(利害関係者)に開示する活動があります。

ステークホルダーに決算書の内容を報告することで、より強い信用と信頼関係を築くことができるでしょう。