なぜ会計事務所が売上アップ支援をするのか?

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会計には「税務会計」「財務会計」「管理会計」の3つの領域があり、

一般的に会計事務所が対応するのは「税務会計」の領域です。

 

しかし、税務会計は税務判断や納税に関連する業務であり、

経営のほんの一部分にすぎません。

 

経営者の方々にとっては、

資金調達や資金繰り改善を行うための「財務会計」や、

売上アップや経費削減に関連する「管理会計」の方がよほど大切でしょう。

 

私は、経営の相談事をお聞きするうちに様々なお悩みを伺うことがあります。

 

優秀なシステムエンジニアの方から相談を受けました。

その方は、

 

「夢を持って会社から独立し、行政の仕事に大変役立つクラウドシステムを作ったのですが、

どうやって売ったら良いかわからない」

 

とおっしゃいます。

 

大規模な予算の行政機関は、独自システムを大層な金額で作って運用していました。

しかしその方が作ったクラウドシステムは、ランニング費用だけで

開発費用不要は非常に安価なものです。

 

出来合いのシステムですから、かゆいところには手が届かないことがあるにしても

月額使用料と行政のメリットを比較すると、コストが100分の1になるような素晴らしいものでした。

 

私が、

 

「御社のシステムを導入したら、喜んでいただける行政機関は一体いくつあるのですか?」

 

と伺うと、そのエンジニアの方は「1800件ある」と言うのです。

 

私が「だったら売るのは簡単じゃないですか」と申し上げると、

エンジニアの方はキョトンと私の顔を見ました。

 

「今まで4件しか売れていないんです」と言います。

 

そこで私は、エンジニアの方にアドバイスをしました。

 

「本当に行政に役立って、機能対コストが100分の1になるようなものであるならば売れるはずです。まず見込み先の1800件のリストを作ってください。それで宛名書き住所のタックシールは打てますね。

北から南エリアを12分割して、北海道から九州まで、毎月150通のラブレターを送ってください。

ラブレターは提案書です。ラブレターには、『一年間無料でモニターとして使っていただけます。何日から何日までは、皆さんの側にいますので、もしよろしければご説明に行かせてください』と書いてください」

 

パソコンとオフィスからの転送電話さえあれば、どこでも仕事ができるのですから、

「毎月一週間ずつ営業を仕掛けた地域のウィークリーマンションに住んで、

安価なレンタカーを借りたらどうでしょうか」とアドバイスをしました。

 

私はさらに

 

「モニターの理由も明記してください。モニターの対価は、うまく動き始めたら

行政機関の喜びの声を、実名でパンフレットに上げさせていただくことです。

利用条件の中に、必ず下記の文言を入れてください。

 

『一年間のモニター期間が終わりましたら、そのまま契約していただいても結構ですし、

お断りいただいたら利用できないように、こちらでサーバーの使用の差し止めをします』

 

そして必ず担当者責任者に捺印をもらってください」とアドバイスを続けました。

 

モニター期間が終わる一年後にご相談に行ったら、

何割かは行政の担当者は交代しているでしょう。

 

しかしシステムが上手く機能したところは、システムを奪われてしまうと大変困ります。

 

予算がない行政機関であれば、人手も限定されて厳しくなっている。

前任者が既に捺印をしてしまっています。

システムを失う新しい担当者からすれば、多少のサービス料金で利用が叶うなら、

そのまま使えるように予算を取る努力をするはずです。

 

そしてある程度販売が一巡する間に、機能をもっと大幅にバージョンアップさせて、

今度はプロの営業マンと組んで、各地域に代理店を作って

バージョンアップを口実に契約単価をしっかり上げていく。

 

そのように、私はアドバイスしました。

 

多くの人は、売り込んで売り上げると思っています。

しかし実際は、商品やサービスの良いところをしっかりとお客様に提案し、

認めていただけた結果として、お客様が買い上げてくれるのだと思います。

 

「売上」ではなく、「買上」が正しい認識なのかもしれません。

 

どんなに価格訴求しても、価格では動かないマーケットが

必ず世の中に30%はあると言われています。

 

例えば、現在のようにネット通販が行き渡り、

車で数十分行けば量販店があるのにもかかわらず、

大変活況を呈して成功している街の電気屋さんがあります。

 

そのお店で実践していることは、

 

自分たちの商圏で、一度でも出入りさせていただいたお客様には

必ず誕生日や結婚記念日を伺うと言います。

 

各月を上期下期に分けて、年間で24回。

そのお宅の奥様に誕生日のお花、結婚祝いのお花、バラ一輪をお届けして

売り出しのチラシをお渡しし、お困り事を聞くのだそうです。

 

特別な営業手法でなくても、基本として人と人との心を結ぶラブレターを送る努力をすれば、

お客様との関係は、確立できるのではないでしょうか。