なぜリスタート支援・廃業支援をするのか?

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経営者のエンディングで重要なのは、

大切にしてきた経営資源を

次の世代にどう残していくかだと思います。

 

経営者の方々に寄り添う伴走者である私ども会計事務所は、

ときとしてリスタート、言い換えれば廃業の支援をすることも大切な役割だと考えます。

 

2009年12月に施行された中小企業金融円滑化法は、

2013年3月末に終了しました。

 

しかし現在でも、

 

「金融機関は、引き続き円滑な資金供給や貸付条件の変更等に努めるべき」

 

との金融庁による方針のもと、

実質的には同法施行時と同様に貸付条件変更(リスケ)等の実行が続いています。

 

金融庁が公表している資料によれば、

2013年4月~2017年3月の4年間の累計で約410万件の申し込みがあり、

そのうち約400万件が貸付条件変更等の実行対象となったそうです。

 

一方で、こうした返済猶予を受けながらも

経営改善が図れずに倒産に至るケースも散見されています。

 

現在も年間約80万件の返済条件変更の融資が発生しており、

これは元本返済を止めて金利だけ返済するという企業の延命治療でしかありません。

そのような企業の数は、累積で400万件ほどあるのではないかと言われています。

 

延命治療状態の企業を残しておくことは、

その企業にとっても社会にとっても金融業界にとっても、健全なことではないでしょう。

 

在庫処分を条件に融資交渉しようにも、それもできない。

 

資金繰りが悪いが、倉庫代は毎月かかっている。

 

そのような企業はたくさんあります。

 

不良在庫は、ものによっては劣化しますし、

時流に合わなくなるものもあります。

 

在庫や事業に対する見切りが必要なこともあるでしょう。

 

かつて日本の農村は、里村と付き合いながら暮らしてきました。

 

その里村の森林から下草を刈り、樹木の間伐をし、

腐った木があれば、それを切り倒して薪にし、

常に森林の更新を図り、森林から恵みを得ていました。

 

腐った木を切り倒した切り株の脇から新しい芽が出ることがあります。

 

これを「ひこばえ」というそうです。

 

循環することで、生物の環境は整えられています。

 

企業社会も一緒で、むやみに延命措置をすることは、

企業社会の循環を乱すことになります。

 

いつまでも正常稼働しない企業に縛り付けられているよりも、

早くこの呪縛を取り去り、健全な企業環境を取り戻す方が

経営者にとっても社員にとっても取引先にとっても良いはずです。

 

健全な環境整備に適した存在は、会計事務所以外にないと私は思います。

 

重荷を取り除いて、次の世代に経営資源を引き継ぐ。

新しい芽生え、ひこばえを促進していく

 

リスタートさせるのは、経営者ご本人の場合もあれば、

次世代経営者の場合も、社会全体の場合もあります。

 

このような経営支援は、会計事務所にこそ求められていると思うのです。